ルーフライニング(天井の内張)の剥がれ修理
天井の内張が剥がれています。
輸入車ではよくある症状ですが、国産車でも一部の高級車などで使用されているルーフライニング(天井の内張)はこうなります。
今回は、新品交換でも張替えでもなく加工修理しますが、その前にルーフライニングの剥がれについて解説しているサイトをあまり見かけないので、そのあたりを少しお話をします。
なりやすい車種となりにくい車種の違い
なりやすい車種となりにくい車種を見分ける方法はとても簡単で『天井がフェルトのような起毛生地になっているもの』は剥がれにくく、『指で押すとスポンジが入っていそうな柔らかい素材のもの』は剥がれやすいです。
ここでは『剥がれやすい』と表現していますが、スポンジが入っているタイプの天井ではあまり正しくない表現で、「分離」と言うほうが正しいかと思います。
生地との間にスポンジが入っている場合、劣化によって分離したスポンジと生地が垂れてしまいます。
生地を張り替えることも可能ですが、樹脂のボードに残ったスポンジと糊をすべて取り除く必要があるため、作業にはそれなりの時間=料金がかかります。
修理の方法
修理方法は大きく分けて3つあります。
修理方法 | メリット | デメリット及び注意点 |
新品交換 | 新車時の天井に戻せる。 作業時間は最も早い。 | 料金が高い。 車種によっては生産終了していて部品が入手できない。 |
張り替え | 新車時と同じくらい綺麗になる。 好みのカラーや材質が選べる。 | 新品交換並みかそれ以上に料金が高い場合がある。 修理に時間がかかる。 |
ピンによる補修 | 修理料金を抑えることができる。 新品交換と張り替えの中間くらいの時間で修理できる。 | 綺麗に整うかどうかは、やってみないとわからない。 ボードの厚みや形状によっては補修できない場合がある。 |
今回は補修を実施
補修用のピンには様々な種類がありますが今回はネジタイプのものではなく、薄くて目立ちにくい内張用クリップを使用しました。
クリップのカラーもできる限りルーフライニングの色に近いものを探しました。また、クリップの先が長すぎると鉄板部分まで届いてしまって綺麗に留められないので、鉄板までの深さを計測して干渉しない長さのクリップを選びました。
インターネットで海外製のものが出回っていますが、ルーフは耐熱・耐寒・耐久性が必要なので、やはり国産車に使用されているクリップが最も適していると思います。
高級感のあるルーフライニングに
高級な革張りのソファのように整いました。高級車はこの方法で整えると清潔感のあるルーフになります。
今回は「こういう修理方法もあります」という紹介でした。