中古車の価格表示を『支払総額』に変更しています
自動車公正取引協議会(自動車公取協)により2023年10月から中古車の「支払総額表示」が義務化になりました。
価格表示は車両価格から支払総額へ
これまでの価格表示は整備費用や諸費用を加算していない『車両価格』が大きく掲示されていました。
しかし、有償保証の加入やボディーコーティング費用など、本来は購入者が選択できるはずのサービスを『外せないプラン』として不適切に請求する中古車業者がいることから、『支払総額』の表示が義務化されました。とても良い事ですね。
これにより、追加のサービスを望まない購入者は表示されている支払総額で購入できるようになりました。これは何より安心ですね。大体の目安が分かると予算を立てやすくなります。
当社でもすべて支払総額表示にしていますので、これまでより金額が高く見えてしまうかもしれませんが、これまでより高いと言う事はありません。
『追加料金は発生しない』と言う事ではないのでご注意ください
今回の改正により、追加料金が発生しないと言う訳ではありません。表示されている支払総額は、あくまで『追加料金が発生しない購入方法で最低限の価格』と考えたほうが正しいかと思います。
追加料金が発生しない購入方法と言うのは、①現金購入であること、②県内在住で県内登録すること、③現状購入すること、等が挙げられます。
①についてはほとんどの方がお分かりかと思いますが、現金ではなくローンにした場合は金利の分だけ金額が上がるため、支払総額に金利分が加算されます。
②については様々なケースがありますが、よくあるケースとしては『赴任先で購入して、登録住所は現住所でナンバーの申請をする』というケースです。この場合は『他県での登録』となり、他県の行政書士への依頼費用が別途必要になります。依頼する行政書士によって金額が異なるため、先に金額を決めておくことは困難です。
③については『購入者の希望による追加整備』です。「スタッドレスタイヤが必要」「ドライブレコーダーを取り付けたい」などと言った追加整備を希望の場合には、それに伴った追加料金が発生します。
今までも総額表示は出来たのにしなかったのはなぜ?
「これまで表示方法が自由だったなら、総額表示もできたのにしなかったのはなぜ?」と思う方もいらっしゃると思います。
実は私も同じように思っていたので、総額表示にしてみたことがありましたが、残念ながら中古車の問い合わせが激減しました。特に『通りがかりで気になった』と立ち寄る方がいなくなりました。遠目からでは『総額表示』の文言は見えにくいので高く感じるのも無理はありません。
他社が車両価格で掲示している以上は、自社もそうせざるを得ないと言うのがこれまでの状況でした。
ようやく総額表示に出来るようになって、清々しい思いの中古車業者は以外にも多いのではないでしょうか。